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TPPの概要

TPPとは、環太平洋地域による経済連携協定(EPA)のことです。正式名称はTrans-Pacific Partnership(略してTPP)、別名、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。

日本語で表記の場合は、環太平洋戦略的経済連携協定となります。

発足はシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が参加する

自由貿易協定であり、2006年5月に発効しました。さらに米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明し、新たな枠組みの合意に向けて9カ国で交渉しているのが現在の状況です。さらにカナダ、メキシコ、中国、大韓民国(韓国)などもTPPへの参加を検討しており、TPPが最終的に太平洋を囲む主要国間の自由経済圏に発展する可能性があります。

拡大交渉中のTPPについて、加盟国・交渉国に日本を加えた10か国のGDP(国内総生産)を比較すると域内GDPの91%を日本とアメリカの2か国が占めるため、実質は日米のFTAだとする見方もあります。

2013年7月時点では、11カ国が参加。2015年をめどに、関税の完全撤廃が目標となっています。太平洋周辺の国々、それぞれの国で設定していた関税をなくして現在よりも更に自由に貿易にし、人的資源・産業・サービス・知的財産など、貿易に関する移動を自由化、経済発展を促すことを目的としている国際協定です。

産品の貿易、原産地規則、貿易救済措置、衛生植物検疫措置、貿易の技術的障害、サービス貿易、知的財産、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、競争政策を含む、自由貿易協定のすべての主要な項目をカバーする包括的な協定となっています。

WTOが抱える課題

WTOは世界が健全に貿易活動を行うことができるよう、諸々の規制をなくして、関税を限りなく低く下げ、地球規模の市場で自由に競争できるようにするということを目的とする機関です。 続きを読む

日本とWTOの今後

日本ではこれまで、国際的なルールを与えられて守るという立ち位置を採ることが多かったのですが、今後はルール作りの段階から積極的に関与する必要性が指摘されています。国際社会において日本の姿勢はルールをきっちり遵守しているのにも関わらず、あまり理解されず貢献度の割には損をしているという指摘があります。 続きを読む

WTOと日本の関わり

日本はWTOに加盟することにより、自由貿易の恩恵を最も受けてきた国の一つといわれています。やはり加工貿易経済というビジネスモデルを確立している以上、このような国際貿易の枠組みに入ることは最も日本の国益にかなっているということなのでしょう。今後の日本経済のためにも、日本はWTOに対し積極的な役割を果たしていくことが望まれています。

また、近年の各国のFTA(自由貿易協定)網構築の動きに出遅れた日本にとっては、WTOの多国間の枠組みの重要性がいっそう増しているという指摘もあります。

実は日本企業は、FTAが無いためにしばしば大きな不利益を被る立場に立たされており、こうした不利益を最小化するために、WTOを通じて多国間ルールを強化することが有効なのです。

現在、日本が自由化を迫られる代表的なものとして、農業が挙げられます。よくニュースで報道されているのでご存知の方も多いでしょう。農業保護、生活の必需品であることの配慮などを理由に、過度の自由化に反対しているわけですが、アメリカ、オーストラリアなどの大農産物輸出国からは強く自由化を求められている状況です。

日本の農業は国際化の波を免れられないところに追い込まれていますが、新しい農業の変革期であり、再出発になるであろうと考える人も多くいます。国内の消費量を基準にした農業ではなく、世界市場を切り開いていく道を拓く為に、

WTOを交渉の場として選んだ日本が、海外でも受け入れられる日本の農業とは何かを問われているわけです。

このことは、WTOと同じく日本と密接に関わっていくことが予想されるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)でも同じです。

WTOと金融、WTOとグローバル化

WTOの取り決めるによると1997年の金融サービス合意によって、はじめて加盟各国が外国の金融サービス事業者への市場アクセス、内国民待遇の確保を最恵国待遇ベースで確約する、恒久的合意がなされました。

金融サービスのグローバル化が著しく進んでいる状況を踏まえて、それぞれの国がバラバラな基準やサービスを提供している状況では対応に難しくなり、それに合わせる形でなされた合意です。これによって国際貿易の中で金融サービスが大きな存在感を示すようになりました。

このように、通信や交通の発展と成長に伴い、世界のグローバル化が進み、国境間・領土間を越えた様々な分野の貿易活動がますます盛んになる中、公正かつ自由な貿易の実現のために、WTOは大きな役割を果たしています。

WTOはIMFや世界銀行等の他の国際機関と協力関係を結ぶこととなっていますが、その対象は政府間の国際機関のみならず、非政府組織(NGO)をも含んでいます。具体的にはWTO協定において、一般理事会がWTOに関連した事項に関して、これら非政府組織と協力するために、適切な取極を結ぶことができる旨規定されています。これにより、従来と違って民間の活動においても国際的な貿易のコモンセンスを適用できるようになり、ますます国際貿易の標準化が進んでいます。

よく貿易不均衡や不当な関税、国内産業の過剰な保護などが指摘されると「WTO提訴を検討」というニュースが流れます。以前であれば二国間交渉が主な解決方法だったため紛争から戦争に発展する悲劇も少なくなかったのですが、現在ではWTOが多国間協議の枠組みで仲裁をしてくれるため、以前よりははるかに理知的な解決が可能になっています。

WTOに関する正式な知識

WTOはWorld Trade Organizationの略で、世界貿易機関と訳されています。ウルグアイラウンドにおいて策定された「WTOを設立するマラケシュ協定」

(以下「WTO協定」)において、その所掌、役割、組織などが具体的に規定されました。

それに規定・記載された【WTOの役割(第3条)】によると、

WTOは、WTO協定及び多角的貿易協定を管理・運営するとともに、加盟国間の貿易交渉の場を提供する。また、WTOは附属書2に掲げられた紛争解決了解及び附属書3に掲げられた貿易政策検討制度を管理する。また、WTOはIMFや世界銀行等の他の国際機関と適宜協力すること・・・などが明記されています。

これを平たく言い換えると、国際間の貿易紛争を調停する機関であるというように意味合いになります。

WTOは、前身であるGATTの役割をより強化して引き継ぎ、世界で自由に貿易が出来るようにするためのルールや、貿易に関してのもめごとを解決するためのシステムを作っています。ちなみにGATTとは、貿易に関する基本的なルールとして1948年に作られたもので、関税および貿易に関する一般協定のことです。

WTOは、世界で自由に貿易が出来るようにするため、GATTの時代より、関税を引き下げる交渉や、非関税障壁(関税以外の方法で輸入制限などを行うこと)を無くす交渉、また、農産物貿易やサービス貿易、知的財産権の保護(発明をした人たちの権利を守ること)に関する交渉など、たくさんの交渉を行っています。その交渉を「ラウンド」と呼び、ルールを決める際、少数の国々で話し合うのではなく、加盟国全体で決議を行っていくのが特徴です。

従来のGATT協定が、貿易の「物品」を扱う部分のみに触れていたのに対し、WTOは、貿易、投資、競争政策、労働基準、環境、電子商取引、金融、通貨政策など、広範な分野における、国際的ルールの確立に取り組む機関であるのは、時代のニーズに合致させるためです。

WTOの精神

WTO前身であるGATTは、あくまで国際条約協定であるのに対し、WTOは国際貿易を促進するための『機関』であるため、制裁を加える権限が与えられていることが、根本的な違いです。

基本原則は以下の3点です。

・自由(関税の低減、数量制限の原則禁止)

・無差別(最恵国待遇、内国民待遇)

・多角的通商体制

WTOでは「ラウンド」と呼ばれる、多角的貿易交渉を通して、国際貿易に関するルール作りを行います。貿易ルール策定の対象となるものは物品だけでなく、金融・知的財産権・サービスなども含みます。また、WTO加盟国の権利義務関係が明確かつ、公正明大な貿易をするように、「WTO協定」が制定されています。

貿易に関する紛争が起きた場合、対抗処置の発動では、紛争処理機関「パネル」の提訴に対し、全加盟国による反対がなければ採択されるという、「ネガティブ・コンセンサス方式」(逆コンセンサス方式)を採用した、強力な紛争処理能力を持ちます。これは国際組織機関としては稀であり、WTOの大きな特徴の一つといえるでしょう。

国際貿易は国際紛争に発展することが時折あるため、これを強制的に解決する手段を持った国際機関でなければ、再び武力による解決を求めるケースが危惧されるというのが、WTO設立当初からの重要な精神です。

WTOの仕組み

WTOとは、「World Trade Organization」世界貿易機関の事であり、自由貿易を促進するための国際機関です。スイスのジュネーブにWTO常設事務所が置かれており、国際貿易に関する世界最高の機関です。ウルグアイラウンド交渉の結果1994年に設立が合意され、1995年1月1日に設立されました。

WTO協定(WTO設立協定及びその附属協定)は、世界で行われる様々な貿易に関連する国際ルールを定めています。WTOはこうしたルール、協定の実施・運用を行うと同時に、新たな貿易課題への取り組みを行い、多角的貿易体制の中核を担う機関である・・・と規定されています。

国際貿易が戦争を引き起こすことすらあることは、以前から危惧されてきました。そこで第二次世界大戦後、自由貿易推進による安定を見据え、国際通貨基金および国際復興開発銀行とともに設立が予定されていました。

国際貿易機関(ITO)の設立準備の際に、暫定協定として結ばれたGATT(ガット)がありましたが、国際貿易機関の設立は廃案となり、結果、GATTがその代替として発展強化されていったという経緯があります。

しかし再び、この分野の常設機関が求められ、WTOが設立されることとなりました。

ウルグアイラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に基づき、GATTを発展解消させる形で、WTOは成立しました。現在、世界で150カ国近くの国が加盟しています。

ウルグアイラウンドの結果作成されたWTO協定は、その附属書として取り纏められ、すべて添付されています。貿易ルールについてこのように、定める諸協定をすべて取り纏め、一つの国際約束としたことにより、統一的な運用として各国に影響させ、執り行われるようになっています。

日本の貿易赤字要因を考察

2012年、30年ぶりに貿易赤字を計上した日本の貿易収支はその後も赤字幅を拡大しています。

主な要因としてはヨーロッパや中国向けの輸出が減少、LNGや原油の輸入価格が上昇したことなどが挙げられます。

ただし、有識者などの分析によると日本が貿易赤字となる兆候は数年前からあり、そこには構造的な問題があると指摘されています。

日本の貿易スタイルは好景気の折までは、海外から原材料を輸入して、付加価値を付けて輸出する形が確立されており、純輸出額が10兆円を超える年も少なくありませんでした。

しかし長い景気低迷の間に、製造業を中心にコストも人件費も削減できる海外へと生産拠点を移転する企業が増えました。今まで国内で賄っていた製品・材料を海外で生産・委託生産し、逆輸入することになると、これまで確立してきた日本型の貿易が輸入型に変化してきているわけです。これもグローバル・バリュー・チェーンの一環で、日本製品を作るために輸入が増えるという状況が起きているのです。

また、海外調達の進行による国内生産力の低下が起こり、産業の空洞化現象が起きています。国内における雇用機会の喪失や地域産業の縮小、技術ノウハウ、

人的資源の流出など、懸念される事項は多く深刻だと指摘する声も多く聞かれます。海外現地生産を行う企業の割合は現在60%から70%に上昇し、今後さらに増加すると予測されています。

また、現状の貿易相手国についてのリスク分散されていないという指摘もあります。莫大な資源、材料の輸入を一国の資源に頼るのではなく、複数に選んでゆく必要も叫ばれています。これは資源ナショナリズムの台頭により、国際貿易と政治的な駆け引きの関わりが以前よりも強くなっていることの証しでもあります。

日本の貿易事情

日本は貿易立国です。原油・天然ガスなど、生産に関わる様々な資源と、食糧を輸入し、自動車・鉄鋼・半導体、及び電子部品などを輸出しています。このような貿易スタイルを加工貿易と呼ぶこともありますが、今では日本以外にも同様の貿易スタイルを持っている国が増えているので日本の専売特許ではなくなっています。

近年、日本経済の回復が進むなかで「新・日本輸出商品」も台頭し、デジタル家電では薄型テレビ、液晶パネルの大増産、デジタルカメラでは薄型複合化や一眼レフ化、乗用車ではハイブリッド車需要の活況、ステンレス鋼板や油井管など高級鋼材へのシフト、炭素繊維複合材料の航空機や電子機器向け供給など、

量と質両面で企業の海外展開が活発になっています。

アメリカ中央情報局(CIA)資料『the world factbook』を参考にすると、日本における輸出金額と輸入金額を合計した貿易総額は現在で130兆円を超え、世界では第4位です。

ただし、30年にわたって長らく貿易黒字を続けてきた日本ではありますが、財務省の貿易統計によると2012年以降一転し、それ以降は連続して貿易赤字となっています。赤字額は過去最大の6兆9千億円にのぼっています。

円安やアジア経済の成長により、過去2007年までは輸出・輸入ともに右肩上がりで伸びていた貿易収支の推移が、2008年以降、リーマンショックにより純輸出額が大幅に減少。その後、純輸出額は一度回復を見せるものの、2011年に入ると輸入金額が輸出金額を上回り、およそ2兆5千億円の貿易赤字へと転落しています。