WTOと金融、WTOとグローバル化

WTOの取り決めるによると1997年の金融サービス合意によって、はじめて加盟各国が外国の金融サービス事業者への市場アクセス、内国民待遇の確保を最恵国待遇ベースで確約する、恒久的合意がなされました。

金融サービスのグローバル化が著しく進んでいる状況を踏まえて、それぞれの国がバラバラな基準やサービスを提供している状況では対応に難しくなり、それに合わせる形でなされた合意です。これによって国際貿易の中で金融サービスが大きな存在感を示すようになりました。

このように、通信や交通の発展と成長に伴い、世界のグローバル化が進み、国境間・領土間を越えた様々な分野の貿易活動がますます盛んになる中、公正かつ自由な貿易の実現のために、WTOは大きな役割を果たしています。

WTOはIMFや世界銀行等の他の国際機関と協力関係を結ぶこととなっていますが、その対象は政府間の国際機関のみならず、非政府組織(NGO)をも含んでいます。具体的にはWTO協定において、一般理事会がWTOに関連した事項に関して、これら非政府組織と協力するために、適切な取極を結ぶことができる旨規定されています。これにより、従来と違って民間の活動においても国際的な貿易のコモンセンスを適用できるようになり、ますます国際貿易の標準化が進んでいます。

よく貿易不均衡や不当な関税、国内産業の過剰な保護などが指摘されると「WTO提訴を検討」というニュースが流れます。以前であれば二国間交渉が主な解決方法だったため紛争から戦争に発展する悲劇も少なくなかったのですが、現在ではWTOが多国間協議の枠組みで仲裁をしてくれるため、以前よりははるかに理知的な解決が可能になっています。