WTOの仕組み

WTOとは、「World Trade Organization」世界貿易機関の事であり、自由貿易を促進するための国際機関です。スイスのジュネーブにWTO常設事務所が置かれており、国際貿易に関する世界最高の機関です。ウルグアイラウンド交渉の結果1994年に設立が合意され、1995年1月1日に設立されました。

WTO協定(WTO設立協定及びその附属協定)は、世界で行われる様々な貿易に関連する国際ルールを定めています。WTOはこうしたルール、協定の実施・運用を行うと同時に、新たな貿易課題への取り組みを行い、多角的貿易体制の中核を担う機関である・・・と規定されています。

国際貿易が戦争を引き起こすことすらあることは、以前から危惧されてきました。そこで第二次世界大戦後、自由貿易推進による安定を見据え、国際通貨基金および国際復興開発銀行とともに設立が予定されていました。

国際貿易機関(ITO)の設立準備の際に、暫定協定として結ばれたGATT(ガット)がありましたが、国際貿易機関の設立は廃案となり、結果、GATTがその代替として発展強化されていったという経緯があります。

しかし再び、この分野の常設機関が求められ、WTOが設立されることとなりました。

ウルグアイラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に基づき、GATTを発展解消させる形で、WTOは成立しました。現在、世界で150カ国近くの国が加盟しています。

ウルグアイラウンドの結果作成されたWTO協定は、その附属書として取り纏められ、すべて添付されています。貿易ルールについてこのように、定める諸協定をすべて取り纏め、一つの国際約束としたことにより、統一的な運用として各国に影響させ、執り行われるようになっています。