日本とWTOの今後

日本ではこれまで、国際的なルールを与えられて守るという立ち位置を採ることが多かったのですが、今後はルール作りの段階から積極的に関与する必要性が指摘されています。国際社会において日本の姿勢はルールをきっちり遵守しているのにも関わらず、あまり理解されず貢献度の割には損をしているという指摘があります。

これは国連での負担金がアメリカに次いで2位の「負担大国」であるにも関わらず、国連内においては常任理事国という立場でもなく、さらに敵国条項といってドイツ、イタリアとともにいまだに連合国の敵国であるという国連の条項から敵視されているという有様です。こうしたことが長らく放置されてきたことは問題で、貿易の分野だけでなく日本外交の正念場が来ていると言っても良いでしょう。

日本経済は貿易に大きく依存しており、貿易の自由化を進めることは日本がこれまでに築き上げてきた経済力を維持・発展するために必要です。WTOは世界貿易について、各国がしたたかな駆け引きを繰り広げ、国益を得ることを目標とする交渉の場です。日本も、こうした状況を的確に踏まえたうえで、戦っていく必要があるでしょう。

とかく外交オンチと言われる日本の政治システムですが、ますますグローバル化が進行していく世界の中で取り残されないためにもWTOやTPPといった多国間の国際貿易交渉でしっかりと国益を主張し、成果を上げていくことはとても重要です。