日本の貿易事情

日本は貿易立国です。原油・天然ガスなど、生産に関わる様々な資源と、食糧を輸入し、自動車・鉄鋼・半導体、及び電子部品などを輸出しています。このような貿易スタイルを加工貿易と呼ぶこともありますが、今では日本以外にも同様の貿易スタイルを持っている国が増えているので日本の専売特許ではなくなっています。

近年、日本経済の回復が進むなかで「新・日本輸出商品」も台頭し、デジタル家電では薄型テレビ、液晶パネルの大増産、デジタルカメラでは薄型複合化や一眼レフ化、乗用車ではハイブリッド車需要の活況、ステンレス鋼板や油井管など高級鋼材へのシフト、炭素繊維複合材料の航空機や電子機器向け供給など、

量と質両面で企業の海外展開が活発になっています。

アメリカ中央情報局(CIA)資料『the world factbook』を参考にすると、日本における輸出金額と輸入金額を合計した貿易総額は現在で130兆円を超え、世界では第4位です。

ただし、30年にわたって長らく貿易黒字を続けてきた日本ではありますが、財務省の貿易統計によると2012年以降一転し、それ以降は連続して貿易赤字となっています。赤字額は過去最大の6兆9千億円にのぼっています。

円安やアジア経済の成長により、過去2007年までは輸出・輸入ともに右肩上がりで伸びていた貿易収支の推移が、2008年以降、リーマンショックにより純輸出額が大幅に減少。その後、純輸出額は一度回復を見せるものの、2011年に入ると輸入金額が輸出金額を上回り、およそ2兆5千億円の貿易赤字へと転落しています。