TPPのデメリット

TPPによって、どんなデメリットがあるのでしょうか。メディア報道ではデメリット部分についての言及が多いので、TPPはメリットよりもデメリットのほうがよく伝わっているという実情があります。しかしこうしたデメリット報道の多くは感情的なものも多く、根拠をあまり示さずに闇雲に黒船がやって来るというような論調が多いように思います。

実際のところ、TPPにはどんな具体的デメリットがあるのでしょうか。

TPPによる関税の低下・撤廃によって、海外の安価な商品が流入することにより、デフレを引き起こす可能性があると指摘されています。ただでさえ長らくデフレに苦しんだ日本経済で、インフレターゲットを設定してまでデフレ脱却を意図している日本にとって、外的要因で再びデフレ基調になるのは看過できません。

次に、これはさんざん報道されている農業に関するデメリットで、アメリカ・オーストラリアなどから安いコメや農作物が大量に流入し、日本の農業・農家に対し大きなダメージを与えるというもの。食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和もTPP交渉では重要な課題となっていて、食の安全と安心について日本の常識が通用しなくなる可能性があります。また、医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がると危惧する声もあります。日本が誇る国民皆保険制度が、アメリカのように何でも有料になってしまうのではないか、というわけです。