TPP交渉の行方

TPP交渉について、その交渉は秘密裏に進められているため、その内実を知ることはとても難しく、実際のところどうなっているのか分かっていません。

2013年から新たに世界第3位の経済規模を持つ日本が交渉に加わったことで、

TPPにとっては最大の後押しとはなったものの、迅速な妥結には結びついていません。

2013年秋現在、日本のTPP交渉の主な分野の進展状況を見ると、関税・環境・投資・原産地規則・知的財産・競争政策・などの分野は、交渉がかなり難航している模様です。政府調達・越境サービス・金融サービスは、やや進展している状況です。最も難航が予想される、知的財産、競争政策、環境の3分野は、合意の見通しがついた部分や、対立点について調整し・整理し、大筋の合意を目指しているという状況にあります。

ほぼ交渉が成立しているとみられる分野は、労働、TBT、一時的入国、貿易円滑化、衛生植物検疫などはTPP参加国間で、これらの交渉はすでに成立しています。

知的財産分野においては、著作権保護、特許などの国有・民間企業間の公平な競争条件確認を目指すとしており、まだ交渉中です。競争の2分野では、米国とマレーシア、ベトナムなど、新興国の間で対立が続いています。

日本では特に農業関係者と自動車産業関係者が、このTPP交渉の成り行きを注目しています。交渉いかんでは、大きな影響を被ることは必至であり、政府のしたたかな交渉が期待されていますが、如何せん情報がほとんど出てこないため、関係企業などは情報の収集に奔走しています。